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琉球古武術研究所

《 現在の研究課題 ――― 伝統・伝承形の理合と実践試合 》

代表  庵原・忍体術  師範  武集館 雲斎



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比較いろいろ


◎ 古武道人口

 昭和30年代に沖縄で武器術を行っていたのは、上原清吉先生の本部御殿手と平信賢先生の琉球古武術くらいで、他は少数の道場が武器を一種類くらいで行っていたと聞いた。
 それが平成2年(1990)に沖縄で開催された第1回空手道古武道世界交流祭に於いて以下の流派が出場された。
  沖縄剛柔流空手道、少林寺流空手道、琉球古武道
沖縄少林流空手道、沖縄拳法空手道、玄武門空手道杖道
沖縄硬軟空手道、沖縄伝統古武道保存会、本部御殿手古武術
国際空手古武道連盟、琉球少林流空手道、沖縄空手古武道連盟
(社)全沖縄古武道連盟、沖縄拳法空手道、全沖縄正道館空手古武道連盟
上地流空手道、沖縄首里手空手道、沖縄空手道剛柔会
沖縄屋比久流空手道、沖縄空手道協会、琉球古武道保存振興会
世界松林流空手道連盟、沖縄合戦古武術保存会、(社)日本空手協会
沖縄空手古武道連盟、沖縄剛柔流泊手空手道、チャン少林流
沖縄一心流空手道、劉衛劉龍鳳会
そして、5年毎に開催されるこの大会は益々発展している。
愛好家も増え、団体も増えている。


◎ 名称

 沖縄の空手界の歴史の中で、集合離散があり、そして新しい団体も現れる。そうした中で、大同団結を目指して情熱を傾ける方々が多数いらっしゃる。
いろいろな主義主張の中で、まとまった話というものに、以下がある。

 全沖縄空手道連盟では、「形」に内包する武術意義や禅の道の教え、更に国語的語義等から検討した結果、平成7年11月に、演舞形(型)の用字を「形」から「型」とした。
前蹴りの形・横蹴りの形の様に一つの技を示す場合は「形」という概念で、「形」を集大成したものが「型」であるとした。

 沖縄県議会では、昭和11年10月25日に沖縄の空手家が協議して、従来の「唐手」を「空手」と呼称し表記する事を公式統一した日を記念して、平成17年3月に、十月二十五日を「空手の日」として制定する宣言決議をした。

 これは決定したというものではないが、沖縄では「沖縄」「古武道」という名称が多く、内地では「琉球」「古武術」という名称が多い。

 以上のことを踏まえて、このHPの中身も、これに準じて変更するのが順当かと考えて、数年使用した名称も変更する次第である。


◎ 釵の扱い方

 「形」における釵の扱い方では、沖縄では左手に持って出場してくるのが多い。内地では右手に持って出場してくるのが多い、それも、釵は隠し武器だから音を出して相手に持っているのを知られてはいけない、という考え方で2本の釵と釵の間に指を挟んで音がしないようにしている。これは慣れないと持ち辛い。

ちなみに、演舞前に、釵を2本持ってぶら下げていると、ちょっと重い。それを女性がハンドバックを持つときに腕をL型に曲げて持っているが、その格好に逆手持ちの釵を掌に載せていると重さを感じない。

釵

 釵の打ち方には、流派毎に大きな差がある。
一番多い動作が、@逆手で突き・A順手に持ち替えて内受け・B上段打ち、である。
注: 内受け=社団法人日本空手協会(松涛館流)での呼称。
他の空手団体では外受けと呼称される。
Bのこのときに、ボールを投げるような格好で腕の外側(身体の側面)から回して打つ。或いは、刀を抜くような格好で腕の内側(身体の中央)から打つ。という二種類に分かれる。
ちなみに、前回説明したことと重複するが、同じ先生に師事された井上元勝・坂上髀ヒの両先生は、Bの部分に於いて異なる。
これは沖縄・内地を問わず、各道場毎に異なる。


◎ 空手道着

 内地では、一般的に白色の空手道着を着用する。有段者になると黒色の袴をその上から
着用するときがある。そして黒帯を袴の上から締める人がいる。
沖縄では、古武道の時は、黒色の空手道着を着用する人が多い。特に上着だけを着用するのが多い。時として黒色の袴の着用を見るが、黒帯を袴の上にしている人は見掛けない。


◎ ちょっと横道・・・

 日本人の履物は左右が決められていない。下駄・草履がそうである。
だが、足袋は左右が決められている。
外国人の履物は左右が決められている。靴がそうである。
だが、靴下は左右が決められていない。
日本人の使う鋸は、引いて使う。外国人の鋸は、押して使う。
文字の書き方は、縦と横の違い。ドアーと引き戸。
よく見れば、日本と外国では、あれこれ異なっている箇所が多い。

 短刀やナイフを持って使うときに、日本人は順手に握って、上から切るとか正面から突くという使い方が多いが、外国人は逆手に持って、上から刺してくるという使い方が多い。
空手道の上段揚受けや、合気道の正面打ちの受けを気楽にはできない。うっかりしていれば頭を刺されている。

 六尺棒を持つときに、棒を三等分した箇所に右手・左手を配置するが、外国人は棒の中間箇所と末端の箇所に右手・左手を配置する人がいる。棒術のつもりが他の武術のようになっている。
その握り方で、普通日本人は刀・鍬・スコップを持ちように掌と掌が向き合った形が多いが、外国人は鉄棒にぶら下がるような形で、両手の甲が上を向いて握る人がかなりいる。

 スポーツチャンバラの世界で、長短各種の武具の部門があるが、全てを外国人が優勝したことがあるそうだ。
日本人がチャンバラをイコール日本刀、というイメージで上から切る、横に薙ぎ払うという動作が多いだろうが、外国人はそういうイメージは無く、それよりもボクシングの動きが身についていて、空手でいう裏拳の使い方で武具を扱い、優勝したのだと聞いた。油断ができない。
ちなみに、養神館合気道では裏拳の当身(當身)を頻繁に使う。そして逆手をとる動作に入る。

 釵を逆手から順手に持ち替えるときに(前述のAの動作)この裏拳の動きをするが、  この動作は動きが速い、そして威力もある。  コカコーラのような分厚いガラス瓶を横に置いて、この動作をすると、力では無くてスピードの威力で、瓶は木っ端微塵に砕ける。
 釵術の動画 奥伝公開の中の「裏打ち」をご覧下さい。  
(危険ですので真似しないでください)


◎ 古武術と武道

 2013.9.15のNHK・BS1で放送された、『COOL JAPAN 発掘!かっこいいニッポン』で、分かり易く比較表で古武術と武道の違いを表していた。
古 武 術 武  道
ルールがない ルールがある
戦うための術 競技 スポーツ
生き残ることが目的 教育・精神的修行が目的


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