タイトル ライン 釵 ライン

釵の製作


琉球・沖縄の空手道・古武道・古武術で使用する「釵」(サイ)
注: タイ族・チワン族などの南方民族が使用する 鉄歯(てっし)、
   中国の 筆架叉(ひっかさ)・鉄尺(てつせき)・双侠鞭(そうきょうべん)、
   日本内地では南蛮十手・満字転木(まんじてんき)、
   などと呼称される殆ど同じ物。
の理想的なものを紹介致します。

各部の名称  写真説明のとおり。
釵の説明

以下の釵製作の考察を踏まえて、当館では、釵の製作を行っています。

形状 昭和40年代のことですが・・・・・
琉球古武道保存振興会内地本部長の故井上元勝先生の唯心館井上空手道場の正面床の間の刀掛けに1組の釵が掛けられていました。
柄頭は、切り子の形でした。
琉球古武道保存振興会相談役の故坂上隆祥先生の著書のなかで、演武する御子息の所持する釵が、これと同形です。
現在、故井上元勝先生の御子息が御指導なさっている、明治大学紫雲塾古武道部のHPの武器紹介に、唯心館井上空手道場にあった釵と同形のものが掲載されています。
これは、故井上元勝先生の釵を型取りした、合金製のコピーです。

材質 通常は鉄です。
最近は、模造刀と同じような合金製材質のものが販売されていますが、組手などでは曲がりますので、演武用です。
その他、ステンレス製・ゴム製のものも販売されています。

重量・太さ 人それぞれの体格・手のサイズ・体力・年齢・使用目的で、増減が必要です。
(目的=鍛錬用・組手用・演武用・練習用など)
太い・大きい・重い、というようなものを、力の余った若い時期や、入門時に好みますが、その稽古量が累積するうちに、自分に合った重量に気がつきます。
昔は、自然の錆びが生じて、その錆を取り、また錆びが出て、また取る。を繰り返しているうちに、段々と細く・軽くなり、自然と自分の年齢に合った釵に変化していったようです。
大先輩・諸先生方の釵を拝見すると、意外と細身なのです。
現代は、塗料やメッキによって、錆が出ることはありません。
一般的に総重量は、約550gから約800gの間です。

長さ 一般的に総全長は、約45cmから約55cmの間です。
柄部=元(枝部)より柄頭の長さは、逆手持ちしたときに、人差し指が柄頭に触れない程度です。
柄頭が切り子形であれば、柄頭の中央部まで指先が有効利用できます。
物打部=元(枝部)より先までは、逆手持ちしたときに、肘より3cm程出る方がよいとされていますが、実際には肘の長さで十分です。

釵 釵 釵

柄頭 本来は、切り子形球形だと思われます。
参考=徳川時代の武士の護身用具に「吾杖」(阿梨棒、または切り子の棒)というものがあります。
このものは、頭部(柄頭)と刀剣の鍔に相当する箇所(元)にも、切り子形球形の突起が付けられています。
釵に切り子形球形を取付けることによって、研削加工を行い、全体のバランス調整に役立ちます。

柄頭 柄頭

バランス ここでいう「バランス」とは。
殆どの釵の型の第一動作は、釵を逆手持ちしていて、順手持ちに替える。
相手の棒を払うときもあれば、顔面攻撃のときもあるが、いずれにせよ居合道の抜き打ちのように、素早く・力強く・正確でなければならない。
この「裏打ち」という動作がスムーズにいくための構造状態をいいます。

逆手持ちで親指根元を元(枝部)に掛け、前腕を床と平行にして、掌を開いたときに、25度くらいが理想的なバランスといわれていますが、実際には、水平に近い程使いやすいのです。
すなわち、「裏打ち」「外受け」などが素早くできるのです。

釵のバランス 釵のバランス
分かり易く写真で説明しますと、壁に掛けて飾ったようなときに、
左写真のタイプは見た目が良いですが、使い難いタイプです。
右写真のほうがバランスが良くて使いやすいタイプです。
釵のバランス例1 釵のバランス例2
釵のバランス例3

物打 「爪鎌」の技や、型の「浜比嘉の釵」のように、物打部分を持って攻撃するときに、手の中で回転をさせないために、丸型でない方がよいのです。
八角形で、先端に向かってテーパー形にして細くする。
直線的に斜めテーパー形にする場合と、階段式にテーパー形にする方法とがあります。
直線式にすると、先端にいくほど細くなって、衝撃に弱くなって曲がる可能性もあります。
階段式にすると、曲がる可能性は減って、先端に重量感を感じます。

釵


丸形・角形・中間形などの形状があります。
手の形・大きさに合わせて、使いやすい形を選ぶのがよいのです。
翼 翼
逆手で持ったときに、親指を痛めないように、物打ち部分と同じ八角ではなくて、基本的には丸形です。
長さは、物打ち部分を有効に利用するためには、短い方がよいのです。
太さは、元(枝部)に近い部分は太いほど使いやすく、物打の中間部当たりの太さが適当です。
翼が曲がり終わって、物打と平行になる部分は、爪に向かってテーパー形で細くしますが、円錐形とスプーン形とがあります。
翼の爪は、内側に曲げると手首に当たるので、真っ直ぐにするか、外側に曲げます。
空手修行者は、引き手が横拳になる習慣ですから、うっかりすると脇腹に刺さります。(釵の引き手は、縦拳が原則です)
できればスプーン形で、外側に曲げてある方が望ましいのです。
どちらでも「爪槍」「爪鎌」の技に影響はしません。

翼 翼

元(枝部) 順手持ちのときには、必ずここに親指を置くことになっています。
物打で打撃したときに最も力が入るためです。そして翼の内部に入った棒(棍)に、親指が当たらないためでもあります。
そのために、この部分は平らである必要があります。

元


仕上げ色 本来は鉄色が普通です。昔の話によれば、「隠し武器」ということで、錆び等で黒・茶になるのを望んでいたといいます。
使っていれば錆は大きくならず、使うほどに手の脂で、その錆は滑らかになっていたといいます。
現代は以下のようなものがあります。
@ 一旦錆を発生させて、それを磨き上げて茶色系にしたもの。
A 磨き上げて白銀色系にしたもの。
B 塗装して黒色系にしたもの。
C 銀色メッキにしたもの。
D 拳銃と同じように、ガンブルー塗料にて黒色系にしたもの。
(当館では、Dのガンブルー塗装を採用しています)

本数 右手用・左手用と2本で一組が通常ですが、背面の腰に1本を差して、合計3本を1組とするのが望ましいのです。
型の「湖城の釵」にあるように、背面の腰に差した釵は、1本を手裏剣投げで相手に投げつけた後の補充用として使用します。
または、組手などで落としたときの予備として使うときもあります。

約700gを重い・軽い、の境として2種類を持ち、重い釵は練習・鍛錬用。軽い釵は組手・演武用として、使用を分けることが望ましいのです。
即ち、2種類(二組)を所持することにより、計4本となり、本来の基本の3本一組(1本は背面の腰に差す)を満足させることが可能になります。


最近は以下の3種類を製作しています。
上段の釵 総全長 約52cm 総重量 約600g
総全長 約52cm 総重量 約700g
下段の釵 総全長 約52cm 総重量 約600g
平成30年4月現在
釵

制作品

市販品 市販品


その他の製作品
ヌンティー棒
本来は、棒の先端に卍型の釵を付けたものですが、左右均等形のほうが使いやすいために、当館では写真のように変形したものを製作して使用しています。
ヌンティー市販品と制作品
ヌンティー制作品先端 ヌンティー市販品先端


トンファー(旋棍)
トンファー制作品 トンファー市販品
トンファー制作品 トンファー制作品



卍釵 手裏剣


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